PM2.5と大気汚染が認知症の原因になる
非常に小さな粒子が健康に影響する可能性が注目されているものがあります。それがPM2.5、つまり、大気中に漂う微小な粒子です。ここでは、なぜそれが認知症と関係する可能性があるのか、そのしくみを見ていきましょう。 PM2.5は、直径が2.5マイクロメートル以下の、空気中に浮かぶ小さな粒を指します。
「PM」は英語の particulate matter(粒子状物質)の略です。
PM2.5はひとつの物質ではありません。 車の排気や工場の煙に含まれるすすや、ものを燃やしたときに生じる粒子のほか、大気中に放出されたさまざまなガスが化学反応を起こしてできる粒子などが含まれます。黄砂が飛来した際には、その細かな粒子がPM2.5の濃度を押し上げることもあります。
この粒の厄介なところは、サイズが小さすぎて、鼻やのどに備わった異物を取り除くしくみを通り抜けて、肺の奥深くにある肺胞まで届いてしまうことです。 さらに、PM2.5に含まれる粒子の中には、ナノサイズのものも含まれます。こうした非常に小さな粒子の一部は、肺の奥から血液中に入り、血流に乗って脳を含む全身の臓器へ届く可能性があります。
2025年に米国神経学会のジャーナル(JAMA Neurology)に発表された研究は、602人の剖検脳を調べ、亡くなる前1年間のPM2.5への曝露量が多いほど、アルツハイマー病に特徴的な脳の病理変化が強い傾向にあることを示しました。
アルツハイマー病の脳に認められる老人斑(アミロイドベータのシミ)と神経原線維変化(もつれたタウ)は、PM2.5の濃度が空気1立方メートルあたり1マイクログラム高くなるごとに、より重い段階と判定される統計上のなりやすさが約1〜20%高くなっていました。


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