インフルエンザ、帯状疱疹も脳を傷つける
第一話を読んで、感染症と認知症の関係について、「悪いのは新型コロナウイルスだけなのか」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。新型コロナウイルスが神経炎症を引き起こすなら、インフルエンザなどほかのウイルスも影響を与えることが推測されます。
お気づきのとおり、脳に影響を及ぼすウイルスはほかにもたくさんあります。むしろ、この新型コロナウイルスの研究を通じて、ほかのウイルスにも目が向くようになったというのが実情です。
ウイルスの中には、「神経向性ウイルス」と呼ばれる一群があります。これは、神経細胞や神経組織に感染しやすい性質を持つウイルスという意味です。すべてのウイルスが脳に悪影響を及ぼすわけではありません。
神経細胞や神経組織に感染しやすい一部のウイルスが、脳にとって特に注意すべき存在なのです。具体的には、新型コロナウイルスのほかに、単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルス、インフルエンザウイルスなどがこのグループに入ります。
いずれも私たちにとって身近なウイルスであり、単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスは、感染後も体内に潜伏するという特徴があります。これらのウイルスが、いったいどうやって認知症のリスクを上げるのか。研究では、5つほどの経路が考えられています。


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