そんな広瀬に、暁海という人物が最も表れている場面を尋ねると、挙げたのは母親とのシーンだった。
暁海の母・志穂(木村佳乃)は、夫が家を出ていったことで心のバランスを崩している。暁海は、そんな母を置いて島を出ることができない。
「親子というのは切っても切れない、磁石のような関係性があると思うんです。そこには、好きとか嫌いとか、そういう感情だけでは説明できないものがあって。
櫂と一緒にいるときは、守られているというか、共鳴できるし、痛みを共有できる。自分の居場所のような感覚もあるんです。でも、暁海はまず『お母さんの娘である』という運命の中に置かれているような感覚があって。だから島から出ることもできず、ずっともがき、あがき続けている」
「そんなに孤独に見えているのかな」役柄に起きた変化
暁海のように、孤独や痛みを抱えた女性を演じることが増えた。ドラマ『anone』、映画『流浪の月』、そして今回の『汝、星のごとく』。そうした役が続くことを、本人はどう受け止めているのだろうか。
「『anone』あたりから、明るい役がだいぶ減ったんです。なんでなんだろうとは思いますけど(笑)」
10代の頃は、明るく活発な役を演じる機会が圧倒的に多かったという。
「でも、そういう役と自分との間にはギャップもあったので、今は逆に『そんなに孤独に見えているのかな』と疑いたくなるくらいです(笑)」
意外にも、現在の役柄のほうが本人には自然に感じられるそうだ。
「今いただく役は、自分にフィットするというか、お芝居をしていて楽しいんです。自分とのギャップをあまり感じないし、無理してギアを上げる必要もない。でも、私自身はそんなに暗いわけでもないんですよ(笑)」


※ログイン後、コメント入力が可能です。