電話が、突然、ブツッと切れた。
東北地方整備局の大船渡維持出張所長だった外崎高広は、あの日のことを今も鮮明に覚えている。
2011年3月11日、東日本大震災が発生した。岩手県大船渡市に単身赴任していた外崎には、盛岡市に住む中学3年生の長男がいた。翌12日は土曜日で、長男の卒業式が予定されていた。外崎は盛岡に戻るつもりだった。
しかし、大きな揺れが収まると、現場責任者としての仕事が待っていた。持ち場を離れるわけにはいかない。家族の安否を確認した後、外崎は改めて長男の携帯に電話をかけた。
防災無線から「津波が防潮堤を越えた」とのアナウンスが流れた直後、電話は途切れ、それきりつながらなくなった。
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