「カロリー制限はもうやっていられないと思った」と山田医師。人の「食べたい」という本能を体感したという。
だが、それから2008年まで、カロリー制限に代わる答えを見つけられなかった。
太った人は痩せ、痩せた人は太った
状況を変えたのは、2008年に発表された一本の論文だった。糖質を控えれば、カロリーを制限せずに脂質やタンパク質をとっても、体重や血糖値、血圧、コレステロール、中性脂肪などの数値が改善する、という内容だ。
掲載されたのは、世界的に権威のある臨床医学雑誌のひとつ『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』だった。
「この雑誌に載ったら、臨床医としては無視できません」
それまでの常識を覆すような内容に驚き、感動した。だが、すぐには信じられなかったという。そこで、山田医師は日本で初めて、この論文と同じ検証に取り組んだ。
患者に声をかけると、「先生が言うならやりますよ」と応じる人が多かったそうだ。
結果は、論文の通りだった。糖質を控えれば、脂質やタンパク質を十分に食べても、血糖値などの数値は改善した。さらに目を引いたのは、体重の変化だ。
「太っている人は痩せて、痩せている人は体重が増えて、みんな、ちょうどいい体重になっていったんです」


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