「玩具で圧倒的ナンバーワンになる」――。
ディスカウントストア大手「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の幹部はそう力強く語った。
PPIHは10月1日、民事再生手続き中の日本トイザらスと事業譲渡契約を締結したと発表した。事業譲渡の実行は10月30日を予定する。譲渡価格は非公表。全国約150店舗の承継に向けて交渉を進めており、従業員の雇用は可能な限り維持する方針という。
PPIHは、譲渡が完了すれば玩具カテゴリーの売上高が約1500億円に達すると見込む。実店舗をベースとした国内の玩具市場において首位の座に躍り出る見通しだ。
1.1兆円市場の「伸びしろ」
「トイザらスとドンキのイメージはだいぶ違うので驚いた」。10月中旬、東京都内のトイザらスが入るショッピングモールで買い物をしていた女性(41)はこう話す。子どものプレゼントなどでトイザらスを利用する機会があるというが、「ドンキで子ども向けのものを買った記憶はない」と振り返る。
PPIHが目を付けたのは、まさにこうしたトイザらスが持つ、乳幼児から子ども連れファミリー層の強固な顧客基盤だ。
同社の森谷健史常務執行役員は1日の説明会で「トイザらスとPPIHでは強みとする顧客層が大きく異なり、両者の強みを相互に補完することができる」と強調した。PPIHがかねて得意とする大人向け商材の需要と、手薄だったファミリー層の双方を取り込み、玩具の売上高をさらに拡大させる構想を描く。
これまでGMS(総合スーパー)の長崎屋やユニーの買収を通じて食品カテゴリーの強化を進め、成長を続けてきたPPIH。なぜ今、玩具の拡大に乗り出すのか。

日本玩具協会によると、2025年度の国内市場規模は1兆1664億円(希望小売価格ベース)と、5年連続で過去最高を更新している。市場の急成長を牽引しているのが、トレーディングカードやプラモデルといった「キダルト」と呼ばれる大人向け玩具やキャラクターのIP(知的財産)関連商材だ。
これまで日本トイザらスはこの成長領域を十分取り込めず、苦戦してきた。そこにエンタメ商材を得意とするPPIHのノウハウを注入し、巨大なトイザらスの店舗網と掛け合わせれば、状況は一変する。キダルト市場を一気に取り込むことができれば「大きな成長余地がある」(森谷氏)というのだ。
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