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「震災のときよりつらいことはない」資金150万円から行列店に成長した27歳クレープ店店主が"失敗を恐れず進む"理由

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遠藤桃華さん
店主として経営を担う一方、自ら店頭に立ってクレープを焼く遠藤桃華さん(写真:編集部撮影)
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「私の家族は全員無事だったのでよかったのですが、いとこが亡くなりました。友達や同級生で亡くなっている人もいました。家族を亡くした人もいたし、避難所では、目の前で亡くなる人も見てきました」

そう話す遠藤さんの目に、涙が浮かんだ。

4月、遠藤さん一家は仙台へ移った。両親にとっては、子どもたちの生活や教育を考えての転居だった。しかし、当時12歳の遠藤さんには、友達のいる石巻を離れ、仙台に引っ越すことに納得がいかなかった。

当時はまだ小学生で携帯電話を持っておらず、SNSも今ほど普及していなかった。友人たちに引っ越しを告げられないまま、知り合いのいない中学校へ入学することになった。もともと通う予定だった中学校の制服は津波で失い、仙台での入学式には、学校が用意してくれた先輩のお下がりの制服で出席した。

もっとつらい思いをしている人がいるのだから、と自分に言い聞かせても、新しい生活に気持ちを向けることはできなかった。そんな中、遠藤さんに少し元気を与えてくれたのが、クレープだった。

店の看板は、亡くなったいとこの父親(遠藤さんの伯父)が制作した。津波で流された実家の表札も伯父の手によるもので、看板にはその表札と同じデザインを採用した(写真:編集部撮影)

年に1度の屋台の味が、仙台では毎日食べられる

「クレープは当時の私にとって、特別な食べ物でした。もともと石巻にはクレープ屋さんがなくて、川開き祭りというお祭りの屋台でしか食べられなかったんです。年に1回の特別な楽しみ。でも、仙台にはクレープ屋がいっぱいあって、日常的に食べられるということに驚きました。仙台に来てよかったと、そのときに思えたんです」

震災後に移り住んだ仙台で、クレープに元気をもらったと語る遠藤さん(写真:編集部撮影)

近所には、動物性の生クリームや、自家製カスタードを使ったクレープ店もあった。それまで主に祭りの屋台のクレープを食べてきた遠藤さんにとって、そのおいしさは「衝撃的」だったという。

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