一方、芸人としての収入では食べていけない人はどうなのか。筆者は日頃、メディア関係者やタレントの集まる場で芸人、俳優、アーティスト、マルチタレントなどの経済的・精神的な事情を聞くようにしていますが、芸能事務所の違いや個人差こそあるものの、昭和・平成の頃と比べると「一般的なイメージほど悲壮感がない人が増えた」という感があります。
たとえば「早めに結婚してパートナーの支援を得ている」「親の応援を取り付けて実家に頼る」「スキマバイトをこなしネタやトークに活用している」「安いシェアハウスで共同生活して売れなくてもそれなりに楽しく過ごしている」などのリアルな声を聞きました。
それ以外でも「先輩芸人たちほど『モテたい』と思わないからあまりお金を使わない」という人もいるなど、「売れたい」という気持ちは変わらない一方で「お金がない」ことは以前ほど深刻ではないのかもしれません。
また、平成からの変化を感じさせられるのは賞レースとの向き合い方。大半の芸人が「M-1グランプリ」と「キングオブコント」を筆頭に賞レースのファイナリストを目指しているものの、年々エントリー数が増え続けるなど簡単ではないことをよく理解しています。
お金がないことだけでなく、賞レースでふるわないことに対しても、いい意味での“鈍感力”を感じさせられるところがあり、なかには「何かでバズってYouTubeで稼げるようになれたら」と楽観視する30代のコンビ芸人もいました。
「芸人に見切りをつける理由」とは
以前との変化でもう1つ気付かされるのは、自分で見切りをつけられる芸人が増えたこと。01年スタートの「『M-1グランプリ』は島田紳助さんが芸人がやめるきっかけを作るために立ち上げた」というエピソードは有名ですが、そこから四半世紀の時が流れ、「自分の意思でやめられる人が増えた」という声をしばしば聞きます。


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