3つ目は将来のキャリア形成につながるという観点。MBAのような「モラトリアム期間」になると考えられていたり、コンサルスキルを身に付けると「潰しがきく」と言われる。要するにキャリア形成上の保険になると考えられている。
だが、最も重要なのは、「プロフェッショナル人材」になれることだ。終身雇用が崩れ、転職が当たり前になったいまの学生や若手は、組織に依存せず自分の力で人生を切り開こうとしている。そのための「成長の場」として、コンサルは最適なのだ。仕事はタフだが、その代わり早く成長することができ、市場価値を高めることができる。
コンサル人気の裏で巻き起こる“異変”
それなのに、AIが彼らの挑戦を阻みつつある。
情報収集、論点整理、仮説づくり、議事録作成、スライド初稿の作成——コンサル若手はこうした仕事を何度もやり直しをさせられる過程で成長してきた。しかし、いまやそうした仕事は、AIのほうが圧倒的に早く、クオリティすら高いことがある。
したがって、マネジャーが若手コンサルタントを使わないケースが現実に出てきている。私自身、複数のファームのマネジャーから「はずれの若手を引くとかえって手間がかかるからアサインしなかった」「一度若手を使わないと、次のプロジェクトで『もう要らないよね?』と言われても困るからしょうがなく使っている」という話を耳にした。
つまり、AIがコンサル若手の「成長の場」を奪っている。
この10年、コンサル人口は爆発的に増えた。いわゆるBIG4やアクセンチュア、ベイカレントを代表例として、コンサル各社は規模を拡大し続けてきた。例えば、アクセンチュアは約5000人程度だった人員が現在は約3万人になり、ベイカレントは、2020年に約2000人だった従業員が、現在は約7500人にまで増えている。この需要を満たすため、新卒採用も拡大され、学生のコンサル人気も上昇してきた。
だが、AIの浸透を背景に、新卒採用の縮小を打ち出す企業が現れている。リクルートマネジメントソリューションズの「企業の新卒採用実態調査2026」では、「AI活用が進むと新卒の採用人数は少なくなると思う」と回答した人事部員が約4割になっている。ジュニアのタスクがAIに削られているコンサル業界は、こうした文脈と無縁ではいられない。場合によっては、採用数にも影響が出るだろう。


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