今年、農業従事者の数が初めて100万人を下回った。しかも49歳以下はおよそ1割しかいない。中核となっている70代、80代が今後10年のうちに引退していくと農家の数は激減し、コメも野菜も足りなくなるかもしれない。
そんな危機的状況の今、日々の食卓の向こう側はどうなっているのか。49歳以下の農家を全国各地に訪ねたのが、ドキュメンタリー映画「百姓、わらう。」だ(東京・ポレポレ東中野で公開中、全国順次公開)。
農業はきつくて儲からない?
「きつくて儲からない」というネガティブなイメージに反して、スクリーンに登場する人たちは笑っている。自分で考え、工夫していく農業という仕事のなんと面白いことか。荒れ果てた棚田を見事に再生させた人、微生物の力で土づくりをする人、乳牛の飼育を放牧に切り替え、労働時間を大幅に短縮した人など、6軒の農家に出会うことができる。
「右肩上がりの成長に疲れた人にも観てほしい」と語る、監督の柴田昌平さんに話を聞いた。
映画、テレビの賞を数多く受賞してきた柴田さんは、前作の映画「百姓の百の声」でも農業を取り上げた。
「農家って知恵の塊なんですよ。例えば、作物をどう育てるかに関しては、田んぼ一枚ごとに作り方が違うし、畑も道のこっち側とあっち側では違う。観察眼と知恵を駆使してやっている。どんどん面白い話が出てきて、世界の見え方が変わりました」


※ログイン後、コメント入力が可能です。