「ファミリーユースの入浴剤は、家族全員が入浴する時間を前提にして、香りの持続時間を決めています。パーソナルユースであれば、そこまで香りを持続させなくてもいいですし、少しクセのある香りにしてインパクトを出してもいい。時代とともに、求められる香りも変わってきていると感じます」
佐々木さんが入社した株式会社バスクリンは、2012年にアース製薬グループの子会社となり、2026年1月にアース製薬株式会社と経営統合された。「バスクリン」や「きき湯」をはじめ、アース製薬には「バスロマン」「温泡」などの入浴剤ブランドが多数あり、グループ全体で国内市場シェアトップを誇っている(※2025年調査より)。
「アース製薬と経営統合してからは、虫ケア製品のチームから香りの相談を受けたり、芳香剤のチームから共同開発をしたいと声をかけてもらったりすることも増えてきました。入浴剤以外の分野でも、少しずつシナジーを感じています」
人間が感性を豊かに保つ秘訣は「外」にある
調香師として、活躍の場を広げつつある佐々木さん。これからの展望を聞くと、「AIをもっと活用しても面白いと思っているんです」という。
「自分と違う発想がAIから生まれたら面白いなと思うんです。AIに取って代わられるというより、こちらがAIを取り込みながら、新たな商材に取り組んでみたいですね」
最後に、人間が感性や五感を豊かに保ち続けるためのヒントを聞いた。
「興味を持って、いろいろな体験をすることだと思います。研究室にこもって香りを混ぜていても、限界があると思うんですね。うちのメンバーにも、『外に出る』ことが大事だと伝えています。美術館でも植物園でも、動物園でもいい。香りに限らず、感性を磨くような体験が、作り手の想像を膨らませるのだと思います」
でもそんなにあちこち出かけたら、匂いや香りが気になりませんか?
「普段は気にしないようにして暮らしているんですよ。街中でいい匂いがしてきたとき、あれとこれが入っているからこんな感じか……なんて考えだしたら、本当に疲れちゃいますからね(笑)」


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