実際に、UCC上島珈琲が2025年8月に実施した調査では、カフェインの摂取量を調整する理由として、「睡眠の質を高めたい」といった睡眠に関する回答が多く挙がった。
特に若い世代では、カフェインの摂取量を意識的に調整する「カフェインマネジメント」への関心も高い。また、実践している人の多くは、すべてをカフェインレスにするのではなく、飲む量などに応じて通常のコーヒーとカフェインレスコーヒーを使い分けている。
つまり、カフェインレスコーヒーは、通常のコーヒーを飲めない人の代替品というだけではない。普段は通常のコーヒーを飲む人でも、「睡眠への影響が気になる」「夜にもコーヒーを飲みたい」「利尿作用が気になる」といった理由から、積極的にカフェインレスを選ぶケースが増えている。
考えてみれば、筆者自身もそうだ。場面や時間帯、その後の予定に合わせて、自然と飲み分けるようになっていた。特にコロナ禍以降は、在宅時間が増え、自宅でコーヒーを飲む機会も増加。それまで以上に、飲む時間やカフェインの摂取量を意識するようになった。
家電で楽しめるデカフェ豆
そして、カフェインレスコーヒーへの需要の高まりは、外食や家庭商品だけにとどまらない。家電にも、そのニーズに目を向けた商品が登場している。
タイガー魔法瓶が26年10月に発売した全自動コーヒーメーカーには、新たに「デカフェメニュー」が搭載された。自宅で豆からひいてコーヒーを楽しむ人に向け、デカフェ豆でもよりしっかりとした味わいを引き出せるようにしたという。
「デカフェ豆の輸入量が伸び、時間帯や体調に合わせてカフェイン量を調整する飲み方が広がっています。一方で、デカフェには『物足りない』『薄い』というイメージもあります。そこで、抽出方法を工夫することでデカフェ豆の味わいを引き出せる、このコーヒーメーカーならではのアプローチができると考えました」(タイガー魔法瓶広報担当)
浸漬式を取り入れた抽出で、デカフェ豆の甘みやコクを引き出す設計にしたという。
デカフェ豆を選び、家庭でコーヒーを淹れる人はこれまでもいた。そこからさらに一歩進み、よりおいしく楽しもうという動きが家電にも広がっているのだ。
カフェインレスコーヒーをめぐる動きは、商品ラインナップの拡充から、外食、さらには家電へと広がっている。
かつては限られた人のための選択肢という印象も強かったカフェインレス。市場の拡大とともに、コーヒーの1つのジャンルとして、今後もますます存在感を増していきそうだ。


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