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「数字に気を取られると間違える」ゴディバのフランス人社長が貫く「正射必中」の経営《30年以上続ける弓道の教え》

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ゴディバ
ベルギー王室御用達のプレミアムチョコレートブランド「ゴディバ」の挑戦とは?(写真:ゴディバジャパン)
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——その後はヒッチハイクも順調にいき、紆余曲折がありながらもさまざまな出来事があり、永平寺に行かれたそうですね。これがきっかけになって日本で働くようになり、日本文化にも興味を持ち、29歳で弓道を始められています。

シュシャン 菅原さんもそうですし、永平寺での修行の道を切り開いてくださった住職の方もおられたりして、ものすごく貴重な出会いでした。彼らが私を助けてくれてチャンスを与えてくれたのです。私はこの貴重な出会いをまさに「ご縁」だと感じています。

縁というのは、英語の辞書で調べると「カルマ」「宿命」「運命」などと書かれていますが、日本で使われている「ご縁」にはもっと深い意味があると感じています。誰かと出会い、何かが起こる。そこから実りが生まれる。これは、必然的とも言えるもの。

そして私はまた「ご縁」に導かれて、日本で働くことになります。25歳のときでした。しかし、日本語はできないし、仕事や人間関係に行き詰まり、何かしないといけない、心と身体を強くしないといけない、と考えるようになりました。そして始めたのが、弓道です。禅と武道は深い関連があると感じています。もう30年以上続けていて、今は錬士五段を取得しています。

ゴールドは、ゴディバを象徴する色の1つ。パッケージデザインもブランドの一部だ(写真:ゴディバ ジャパン)

数字を取ろう、ビジネスをあてようと考えすぎない

——今では、国際弓道連盟の理事を務められています。さらに、2年前には外国人で唯一の全日本弓道連盟の理事に就任されました。この弓道が、経営者としての成功に大きく寄与したと過去のインタビューでもおっしゃっています。例えば、数字に気を取られない。目標として数字を掲げない。

シュシャン 企業は成長をしたいわけですね。ビジネスを成長させたい。しかし、ここで数字に気を取られることはよくない。

実は当初、弓道は趣味であり、仕事の気分転換として始めたものでした。ところが、この趣味がだんだん仕事に近づいていくことになった。本質は同じだったからです。

例えば、「正射必中」。弓道は的に矢をあてたいわけですが、あてたいという気持ちが前に出すぎると射がどうしても乱れてしまうのです。誰だって矢をあてたい。ところが、あてたいと思うとあたらない。そういうことが起こる。実はビジネスも同じです。

(写真:ゴディバ ジャパン)

これを確信したのは、ゴディバ ジャパンの社長になる前にリヤドロ ジャパンの社長を務めているときでした。社長ですから、数字の責任がある。ビジネスを当てたい。しかし、弓道と同じだったのです。当てたいと思うと、やるべきことが乱れてしまうのです。

弓道の教えでは、面白いことがあります。先生が稽古をするとき、あるいは昇段試験のとき、矢が当たるか当たらないかを、まるで見ていないことがあるのです。大事なことは、矢を放つときのプロセスが正しいか、なんですね。正しい射に集中すると、自然と的にあたる。これが弓道の考え方です。だから正しい射ができるように頑張ればいい。結果だけを追い求めても、成績は上がらない。

ビジネスも、数字に気を取られると弓道と同じようなことが起こる。当てよう、当てようと考えると間違える。結果も出ません。

(写真:ゴディバ ジャパン)
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