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キャリア・教育

「王妃の悲鳴が響く廊下」「誰もが知る怪物のモデル」…世界に実在する《へんな城》の不気味な事件と伝説

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へんな城 真山知幸
ロンドン塔とカラス(写真:Sid10 / PIXTA)
  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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11月7、8日、大司教クランマーと貴族たちがキャサリンの居室を訪れて、彼女を尋問した。クランマーはのちにこう記している。

「私は彼女があのような嘆きと悲しみに沈んでいるのを見たことがなかった。どんな人間でも彼女を見れば哀れに思うだろう」

自殺を防ぐため、キャサリンの周辺から危険な物はすべて取り上げられた。

すると、恐怖に怯えたキャサリンが、衛兵の監視から逃れ、礼拝堂で祈るヘンリー8世に赦しを乞おうと、廊下を走って叫び声をあげたというのだ。キャサリンは礼拝堂の扉にたどり着く直前、衛兵に捕らえられ、悲鳴を上げながら部屋に引き戻されたという。

この廊下は今「幽霊廊下(Haunted Gallery)」と呼ばれ、訪問者や職員から「キャサリンの苦悶の叫び声を聞いた」「廊下を走る幽霊の姿を見た」と報告されるようになる。

しかし、この出来事を記録した一次史料は見つかっていない。当時の宮殿には数百人から千人近くの廷臣が住んでいたにもかかわらず、である。

さらに、キャサリンが告発されたことを知ったときには、ヘンリー8世はすでに宮殿から立ち去っており、時系列的にキャサリンの廊下走りは成立しないことになる。

「幽霊伝説」が消えることはなかった

それでもなお、「幽霊伝説」が消えることはなかったようだ。19世紀、宮殿が貴族の未亡人たちのアパートに分割されると、未亡人たちはより良い部屋を求めて、自分にあてがわれた部屋に不満を漏らした。「私の部屋は湿気が多すぎる」「騒がしすぎる」、そして「幽霊が出る」と訴え始めたという。この時期にキャサリン・ハワードの幽霊目撃談が急増している。

出た幽霊は、キャサリン・ハワードだけではない。ヘンリー8世の3番目の妻ジェーン・シーモアの幽霊も目撃されている。

1537年10月、ジェーンはハンプトン・コートで待望の男子(のちのエドワード6世)を出産したが、およそ2週間後に産褥熱で亡くなったとされる。

待望の男子を産んでくれて、 従順で穏やかな性格――。 ヘンリーはそんな「完璧な妻」の死に打ちひしがれた。ジェーンの幽霊は、息子を産んだ部屋へと続くシルバースティック階段に、悲しげな白い亡霊としてろうそくを持って現れるという。彼女はヘンリーの6人の妻の中で唯一、ウィンザー城の王の墓に一緒に埋葬された。

さらに、4人のチューダー朝君主に仕えた侍女シビル・ペンの幽霊も報告されている。

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