DOEは26年1月に「Nuclear Lifecycle Innovation Campuses(原子力ライフサイクル・イノベーション・キャンパス)」という情報提供要請(RFI)を発表している。
これは全米の州政府や地域に対して、使用済み核燃料の一時保管地や最終処分場の受入提案を呼びかけたものだ。だが、単なる「廃棄物の埋設」だけでなく、連邦政府による支援・投資の条件として、燃料製造、ウラン濃縮、そして再処理施設の併設をインセンティブとして提示している。
商用使用済み核燃料の集中管理地において、再処理技術の実証・商業化を組み込んだ核燃料サイクル拠点を整備しようとする連邦政府の強い意向を示しており、26年4月の応募期限までに26州から28件の応募があり、その後DOEは5州を候補地として選定し、9月にはウェストバージニア州とMOU(了解覚書)を締結した。
アメリカ・エネルギー省のもう1つの動き
この他、DOEのエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)が主導する、商用軽水炉の使用済み核燃料の再処理技術開発プログラム「CURIE」(Converting UNF Radioisotopes Into Energy)が22年に開始された。
ここでは使用済み燃料からアクチノイド(プルトニウム、ネプツニウムなど)を安全かつ経済的に分離・回収し、先進原子炉の燃料として供給することを目的としている。これには燃料コストを1キロワット時当たり0.01ドル以下に抑える革新的分離プロセス(湿式分離、乾式再処理/パイロプロセッシング、フッ化物揮発法など)も含まれている。
このCURIEに先立ち展開された、使用済み核燃料のバックエンド処理・廃棄物削減・再利用に向けた技術開発プログラムが「ONWARDS」(Optimizing Nuclear Waste and Advanced Reactor Disposal Systems)だ。
これは先進炉の導入に伴う廃棄物ストリームの最適化、燃料リサイクル時の計量管理、インラインモニタリング技術を構築し、再処理によって抽出されたプルトニウム等を先進炉へ再装荷する際のリサイクルコスト短縮と核不拡散性の両立を目指している。
むろんこのプルトニウムとトリウムの活用スキームは、「ウランの使用をやめるべきだ」というのではない。ウランの使用は継続すべきだ。注目すべきことは、ウランの使用の結果、不可避的に生じるプルトニウムの活用の手立てを備えることで、プルトニウムの外部不経済化を回避し、さらにすでに外部不経済と化しているトリウムの内部化の両立が可能だという点だ。
また、ウランがないからトリウムを使うのでもない。そのストーリーでは本質を見誤る。実際その誤りが生じたのが1950年代のアメリカだ。この誤りが別の視点で顕在化したのが2000年代に入ってからだ。

