企業の果敢な成長投資を促す
――今回の提言を取りまとめるに至った背景と、これまでの議論の経緯について聞かせてください。
現在の日本経済が直面する根本的な構造的課題は、供給力と競争力の不足にある。人口減少に伴いモノやサービスを生み出す力が削られており、これを補うための設備投資が不可欠だ。外貨を稼ぐ力も弱まっており、資源の海外依存や構造的な円安から脱却するためにも、企業の果敢な「成長投資」を促すことが急務となっている。
現在、国内上場企業の純利益は5年連続で過去最高を更新しているにもかかわらず、売上高に対する成長投資の比率は欧米企業の半分程度にとどまっている。この現状を打破するため政府は17の重点分野を定め、複数年度にわたる予見可能性の確保や、設備投資減税・研究開発投資への税制優遇措置などにより、経営者が成長投資へ踏み出せる環境を整えてきた。
一方で、企業変革には投資家との対話による適度な緊張感が原動力となるが、短期的な株主還元のみを強く求める一部の投資家やアクティビストの存在により、将来の成長投資に向けた原資が奪われてしまう懸念が高まっている。
これまでコーポレートガバナンス・コード(金融庁)、成長投資ガイダンス(経済産業省)、会社法改正(法務省)は各省庁で個別に議論されがちだった。会社法改正に関する法制審議会の議論が年末に決着することも見据え、これらの議論を政治の場で一本化・総合調整するため、成長戦略本部、資産運用立国議員連盟の提言に加えて、今回のPTで提言を取りまとめた。
――提言の具体的なポイントと全体像はどのようなものでしょうか。
提言では、企業の中長期的な成長投資を後押しするための総合的な施策を掲げている。具体的には、以下の5つの取り組みをセットで進めるものだ。
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