人は幸せになるために生きるのではない
2つ目は、幸せの理性的な面より、本能的で動物的な面に関心を置いている点。
幸せも同じなので、彼が締めている社会的慣習や価値のネクタイをゆるめ、彼の丸裸の姿を見る必要があるということだ。
そして3つ目。本書は幸せについての通説的な思考の枠組みから脱しようと試みたのだという。
著者のいうこの“新たな視点”は、“普遍的な視点”であるともいえないだろうか。いずれにしても、鮮度のある価値観である。
ところで、本書が刊行されてからもう10年経つそうで、現在に至るまでには多くの質問が寄せられたそうだ。ここでは、それらに焦点を当てたい。
Q:幸せが「生存のための道具」ならば、無条件に幸せであればあるほどよい、という意味でしょうか?
著者はこの地位を明確に否定すると同時に、誤解されやすい部分だろうとも認めている。
幸せ(感情)は道具だというが、それは「ある目的(生存、再生産)を達成するのに使いみちがある」という意味なのだそうだ。だとすればその道具は、「きちんと」作動しなければならない。状況とは無関係に、無条件に活性化すればいいわけではないのだ。


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