ここまで聞いて、最初の300円がまた違って見えてきた。
ヤマさんは、生活の楽しみを削っているのではない。むしろ、お金の使い方を変えることで、楽しみを増やしている。
人生100年時代。長くなった人生に備えて、いくら貯めるかはもちろん大切だ。でも、長くなった時間を楽しむために、何に使うかも同じくらい大切なのではないだろうか。
ヤマさんのお金の使い方には、3つの特徴があるように思う。
コーヒーをゼロにするのではなく、少し安いものに替えて、別の楽しみをつくる。
1万円を使って終わりではない。人と出会い、興味が生まれ、次の行動につながっていく。
相手に興味を持つ。応援する。すると相手からまた何かが返ってくる。
自分の喜びや楽しみを誰かと共有すると、さらに幸福を感じる
実は、特に2つ目と3つ目に重なるような調査結果も出ている。
当研究所が20~80代の男女728人に、何にお金を使うことが最も幸せかを聞いたところ、最も多かったのは、友人との旅行や外食、贈り物などの「自分+他者のための消費」で50.3%。「自分のための消費」の34.1%を上回り、「貯蓄」は6.2%だった。

また、自由回答を分析すると、自分が喜びや楽しみを感じ、それを誰かと共有することで、さらに幸福を感じるという共通点が見えてきた。私たちは、こうしたお金の使い方を「幸循環消費」と名づけている。
さらに、幸循環消費をしている人のほうが、していない人よりも「100歳まで生きたい」と思う割合が高いという結果も出た。
ヤマさんの300円も、まさにそんな幸循環消費の一つと言えそうだ。


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