看板ブランドの「アサヒ スーパードライ」が、海を越えてかつてないほど売れている。それなのに、なぜアサヒの株価は上がらないのか──。その疑問の裏には、アサヒグループホールディングス(GHD)が直面する強烈な「光」と「影」がある。
国内市場が人口減少やサイバー攻撃被害の余波で苦戦を強いられる中、同社の海外事業は好調そのものだ。海外事業はいまやグループ全体の利益の約7割を稼ぎ出す柱へと成長した。プレミアム化を進めるグローバルブランドの「Asahi Super Dry」の販売数量は、2025年実績で約2000万ケースとなり、26年上半期では、前年同期比31%増という大躍進を遂げ、着実に成長軌道に乗っている。
同社は「スーパードライ」とイタリア発祥の「ペローニ」の2大ブランドに投資を集中させるプレミアム化戦略で、世界市場を席巻しようとしている。だが、株式市場の視線はどこか冷ややかだ。
かつて2000円台で推移していた株価は1500円前後の水準にとどまり、PBR(株価純資産倍率)は解散価値を下回る0.8倍程度で低迷が続いている。対照的に、ヘルスサイエンス領域などへ事業の「多角化」を進めて、市場から安定的な評価を獲得している競合のキリンホールディングス(HD)が、時価総額でアサヒの背中を猛烈な勢いで追っているのが現状だ。

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