ここでいう企業価値は、単に株式市場における時価総額を意味するものではない。買収実務においては、企業が将来にわたり生み出すキャッシュフローの現在価値として把握されるが、より広くいえば、経営判断を正当化し、取締役会が株主に対して説明すべき中長期的価値の基準でもある。
問題は、その企業価値を構成する要素の中に、供給安定性、技術保全、サプライチェーンの強靱性といった経済安全保障上の要素がどこまで組み込まれるかである。その考え方が、供給安定性、技術流出、地政学的依存といった経済安全保障上のリスクを企業価値評価に織り込む入り口となりつつある。
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