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ライフ #あの大恋愛の末に…国際結婚ベテラン夫婦の今

跡継ぎとして入社した日に義父が急死「義母に追われた」タイ人の夫、社長は妻に…それでも義母を案じて近くに店を開いた訳

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国際結婚 タイ
日本人の妻、スライ富士子さんと、タイ人の夫、スライ・ジャトロンカモンさん(写真:筆者撮影)
  • 久保 佳那 ライター・ブックライター
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ジャックさんには、名古屋のトヨタに戻るという選択肢もあったが、年を重ねた富士子さんの母のことを心配し、近くに住むほうがいいだろうと考えた。そして、自宅近くにタイ料理店をオープンする。冒頭の話である。なぜ、会社を出ていく原因となった相手に、そこまでできるのだろうか。

タイ伝統の花飾り「マライ」。ジャックさんのお母さんの名前であり、お店の名前の由来にもなっている(写真:筆者撮影)

「俺よりお母さんを大事にしろ」父から受け継いだ教え

義母の近くに留まったジャックさん。その行動には根っこがある。

二人には、現在33歳、28歳、22歳となる3人の息子がいる。子供の教育方針として二人で話したのは、「タイ人でもなく日本人でもなく、地球人として育てよう」ということだった。そして、地球人としてジャックさんが大切にし、子供たちに伝え続けているのは、挨拶を大事にすること、笑顔を忘れないこと、人に感謝すること。そして、「お母さんを大事にすること」だ。

「お父さんには文句を言ってもいいけど、お母さんには文句を言うな」「俺よりもお母さんを大事にしろ」

「僕自身が親父からそう教わったんです。『お前たちは9カ月、お母さんのお腹にいたから生まれてこれたんだぞ。だから、俺よりお母さんを大事にしなさい』と。それをそのまま息子にも伝えています」

富士子さんにいつも助け船を出してきたジャックさん(写真:筆者撮影)

ジャックさんのこの教えに、富士子さんはずっと助けられてきた。

富士子さんは姉妹で育ったため、「息子たちの子育ては、宇宙人を相手にしているようなものだった」という。

日本とタイのルーツを持つ息子たちは、自身のアイデンティティに悩み、長男からは「ママには僕の悩みはわからないよ、日本人なんだから」という言葉をぶつけられたこともあった。

「長男はタイで暮らしたり、インターナショナルスクールに通っていたりして、『自分は何者なんだろう』と葛藤を抱えていた時期がありました。私に対しても反抗的で、きつい言葉をぶつけられたときに、主人が長男を厳しく叱ってくれました」

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