主演の松岡茉優は子役からキャリアを形成した確かな演技力を持っていて、その松岡と、天才子役の絶対王者の称号をほしいままにしていた安達祐実の怒号の応酬は見どころである。彼女たちの姿はかつてのヒット映画『鬼龍院花子の生涯』や『極道の妻たち』の世界を彷彿とさせる。
コンプライアンスが厳格化され、表現の自由が狭まった現代において、かつての任侠映画が持っていた「生のエネルギー」や「裏社会のエグみ」は、形を変えて美容業界という新たな戦場に流れ込んだと言えるだろう。
クリーンに一掃されたはずの社会の闇は消えたわけではなく、姿を変えて生き続けているのだ。そして、やっぱり人間はそういうものが見たいのだ。それが、ネトフリのランキングに現れている。
文の同僚で“ダークサイド”の医者を演じる中川家・礼二が、喫煙所でタバコをスパスパと吸うシーンがある。そのヤサグレたたたずまいから立ち上る、目に痛そうな紫煙はなんだか心に染みる。
中盤以降、昔の昼ドラや、韓国の映画やドラマの空気感も
だが物語の中盤以降、女たちの格闘技だったドラマは、意外や深いヒューマンドラマへと舵を切っていく。
第3話の、研ナオコ演じる75歳の老女の話と、野呂佳代演じるつつましい主婦のエピソードは、ヒューマンドラマそのものではあった。
老女は、末期癌を患いながら、全身麻酔をして絶世の美女へと変貌する。研ナオコが特殊メイクやVFXで大変身したことがネットニュースにもなった。これまで一度も自分のために生きてこなかった老女は、夫が死んでひとりになって、ようやく自分のために整形を受け、みんなに祝福の拍手をもらう。
野呂佳代演じるつつましい主婦は、家族のためにひたすら節約してきて、娘に貧乏くささをいやがられたりもする。あるとき、そんな毎日からの脱却をはかろうと一念発起して女性器形成手術を受ける。何かつきものが落ちたような気持ちになって、でもまたあたりまえの日常に戻っていく。


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