「男性育休も、2カ月じゃ足りないのか……?」
人事部で採用と社内教育を担当する男性は、そう肩を落とした。彼は男性の育休を2カ月取得し、職場に復帰した。ところが待っていたのは、想像とはまったく違う現実だった。なぜ、こんなことが起きてしまうのか。
そこで今回は、この男性に起きた出来事をきっかけに、「男性育休」の実態と、現実のとりづらさ、デメリット等について解説したい。育休を検討している人、そして部下を送り出す管理職は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
2カ月の育休が終わったとき、何が起きていたか
これは、ある会社の人事部で働く男性の話だ。彼は入社7年目、採用と社内教育を任される中堅社員である。妻の妊娠が分かったとき、彼は自分が抱えているいくつかの仕事を整理した。
(1)来春の内定式・入社式イベントの企画
(2)秋の採用プロモーション(学校訪問や媒体出稿)の仕込み
(3)新人研修プログラムの体系化
いずれも半年近い、長期のプロジェクトだ。しかし責任の大きな仕事であり、放っておけば、必ず後で困ることばかり。上司にその旨を伝えると、こう言われた。
「心配しなくていい。みんな必ず助けてくれるから、安心して育休を取りなさい」
彼はそれぞれの担当を、別々の同僚に振り分けた。資料もそれなりに作り、「これ、お願いします」と手渡した。同僚たちも快く「なんとかするよ」と答えてくれたという。
「これだけ頼んでおけば、大丈夫だ」
そう自分に言い聞かせ、彼は2カ月の育休に入った。ところが復帰の日、彼を待っていたのは、3つとも手つかずのままの仕事だった。
「ああ、イベント企画ね。まだ何も進んでないけど。来春でしょ?」
「採用プロモーションは大事だけど、他にももっと大事なことあるかなと思って」
「研修の体系化については、どれもほとんど進んでいない」
彼は耳を疑った。
「え……みんな『なんとかするよ』って言ってくれたよね」


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