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健康で長生きするほど《「ピンピンコロリ」は99%失敗する》? 2000人を看取った在宅緩和ケア医が明かす"死に際の真実"

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看取り
最期をどう過ごしたいのかは、自身だけでなく看取る家族にとっても大きなテーマです(写真:Taka/PIXTA)
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余命騒動の発端となった大腿骨は自然と骨がついたようで、痛がらない。歩行は無理だが、車椅子は器用に操作する。時おり39度や40度の発熱があるが、Kさんが点滴はいやだというので、萬田氏は抗生物質は使わず、自然に熱が下がるのを待つ。

自慢の歯で食べたり、食べられなくなったりをくり返す。家族は無理に食べさせることもなく、また高熱が出ても救急車を呼ぶことはない。落ち着いてKさんの回復を見守る。

「もはやこれまでか?」というところでKさんは何度も復活し、復活するたびに身体はやせて小さく軽くなっていったが、最後は100歳まで生きて、施設で穏やかに亡くなった。

「この流れが認知症の典型例かもしれません。病気もなく長く生きすれば、ほとんどの人がいつか通る道でしょう。入院した病院の内視鏡検査でKさんの声帯が動かなかったのは事実。でも僕が食べさせたら、食べた。これも間違いのない事実です。医師は悪いところだけを診るのではなく、Kさんが98歳の超高齢者だという人間性も含めて診ていたら、その後の方針は変わったかもしれません」

目指したいのは、「ゆっくりコロリ」の老衰コース

『死ぬまで生きる 穏やかな死に医療はいらない』(河出新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

長生きが叶った先にある死をイメージすると、萬田氏の理想の死に方は、ピンピンコロリではなく、「ゆっくりコロリ」だという。

加齢によって身体の機能が老化して、動けなくなり、食べられなくなるというサイクルをくり返し、だんだんやせてゆっくりと燃え尽きていく。萬田氏曰く「老衰モード」である。

「僕はこの老衰こそ、いちばん身体にやさしい死に方だと思っています。がんや心筋梗塞、認知症を発症しても、余分な治療をしなければ誰でも老衰モードに入っていくはずなのです。

しかし、死ぬことを避ける病院と、死なせたくない家族がそれを阻む。ゆっくりコロリの前に立ちはだかる大きな壁です」

2000人以上の患者を在宅で看取ってきた萬田氏がめざす、老衰モード。そのためにできることを、後編では詳しく紹介する。

【続きを読む→→】《ゆっくりコロリ》2000人を看取った在宅緩和ケア医が語る"理想の最期"…自宅で穏やかに天寿を全うするための「3要点」

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