「ピンピンコロリを願って健康に留意し、定期健診、通院、服薬を欠かさず、常に身体にいいことを心がけている人は多いですが、うまくいったその先が問題なのです。具体的な死に方まで考えている人は、本当にわずかです。
ピンピンコロリになる確率はほんのわずか1%程度と考えると、成功率1%。つまりピンピン生きることしか頭になくて、その先を考えなければ、失敗率99%になってしまう。転倒、骨折、急病のときはどうするか。そうならないように努力してもなります。案外、高確率で発生するのです。さらに、それもなければ認知症になるまで生きるってことなんです。
家族は“死”を先送りにしたいし、医療は“死なないようにする”のが仕事です。元気なときに自分の死に方をイメージして医療方針を決め、家族の了解を得ておく。そうでなければ、救急搬送されたときから人生の最終章を病院に丸投げするしかありません。“死なないように生かし続けるコース”にはめられて、痛い目にあうのは患者本人なのです」
「高齢者の入院リスク」を知っておく
高齢者の場合、入院によって緊急状態を脱しても、ほとんどの人は入院前より心身が衰えてしまうと萬田氏は言う。
まず病院に運び込まれるという時点で、意識レベルが低下している。この状態になると、当然脳機能が低下し、それに伴い嚥下機能も低下してしまう。
入院すると居場所はベッドだけ。食事も着替えもベッドの上で看護師が介助してくれるので、高齢者は体力や筋力もあっという間に奪われてしまう。


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