同じくcellcentric陣営のボルボ・トラックスも、メガワット充電で50分充電・航続距離700kmを誇る「FH Aero Electric」を披露しながらも、再生可能燃料対応のバイオLNGトラック、さらには2020年代後半の市場投入に向けたディーゼルエンジンをベースにした「水素燃焼エンジン」搭載トラックの公道テストを実施中だとサラリと語った。
このように欧州トラックのトップランナー3強が揃いも揃って、華やかな「巨大バッテリーBEV」を表舞台で競い合いながら、過酷な長距離輸送の生命線として「水素」への巨額投資と実顧客テストを着実と進めている。
この現場のリアルこそが、中嶋副社長の言う「単一の解決策はない」、「大型商用におけるFCの必然性」を何よりも雄弁に証明している。
中国という脅威をどう考えているか?
一方、会場で圧倒的な存在感を放っていたのが、ブース規模を3倍に拡大した中国勢だ。
東風汽車は、独自開発の400kW燃料電池システムを積んだ大型トラック「T1」を出展。正直言うと、カタログスペック先行の「ハリボテ感」が拭えない部分もある。しかし、国家的な補助金と圧倒的な物量作戦による「力業」で押し通すポテンシャルは未知数である。
山形プレジデントはこのように語っている。
「中国では毎年1万台規模の商用FCVが実際に売れて稼働しており、実走データの蓄積スピードは桁違いです。現地で走らせれば予定通りガンガン壊れますが、その分PDCAを回す速度が極めて速い」
どんなに粗削りに見えても、実戦に放り込んで壊しながら直すスピードが速ければ、数年後には大化けする可能性もある。だからこそ、トヨタも「システム原価を極限まで鍛え上げる実験場」として中国を徹底活用している。
3年前の「高すぎて売れなかった」反省は、ハードウェアの抜本的なコスト低減にもつながっている。スカニアら名門を惹きつけた最大の武器こそ「第3世代FCシステム」だ。
セルのモジュール化を徹底し、用途に応じて積層数を柔軟に変更可能にすることで、小型商用車から300kW級の大型幹線トラックまで同一骨格でカバーする。さらに、電解質膜への触媒均一塗布技術を自社刷新したことで、製造ライン速度を従来の約4倍へと引き上げ、量産コストを劇的に引き下げた。


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