参加するのは、ダイムラートラック、ボルボ・グループ、トヨタの車両メーカー3社に加え、メガサプライヤーのボッシュ、エネルギー大手のエア・リキードとトタルエナジーズ、そして給油・インフラ事業を手掛ける合弁会社TEAL MobilityとMB Energyの計8社。共同会見の壇上には、ドイツ連邦運輸大臣をはじめ、各社のトップが一堂に会した。
冒頭ドイツ運輸大臣は、かつて政務次官を務めていた時代を振り返りながら、強い危機感と決意を語った。
「かつて交通分野は気候変動対策の『問題児』と言われ、ステーションと車両の“鶏と卵”の問題が膠着していました。しかし、政治が1つの技術だけを選ぶべきではありません。特に大型トラックや船舶、航空はバッテリーだけでは到底対応できない。ドイツ政府が立ち上げた2億2000万ユーロの支援プログラムに対し、申請額は予算の2倍を超える4億5000万ユーロ(約500台の商用車、35カ所以上のステーション需要)に達しました。欧州が経済と雇用の競争力を保つためにも、産業界が投資できる明確な市場の道を開くのが政治の役割です」
その後、各社のトップが口々に訴えたのは「BEVの市場立ち上げで味わった『インフラが車両に追いつかない』という手痛い失敗を、水素で絶対に繰り返さない」という強烈な共通認識だった。
この連合は政策支援、エネルギー供給、充填スタンド、そしてトラックの量産実装が完全に「同じタイムライン」で噛み合った、極めて実戦的な包囲網のスタートと言えるだろう。
ディーゼル車と変わらない使い勝手
展示会場を見渡せば、各社の動きもエンジニアリングの情熱とビジネスの本音が交錯していることがわかる。
トヨタとcellcentricで手を組むダイムラートラックは、大型長距離BEV「eActros 600」を前面にアピール。しかし、もう1つの目玉は一般向けに初公開された次世代液体水素トラック「Next GenH2 Truck」の実車だ。
車両総重量20トン(軸重:前8t/後12t)を維持したまま、航続距離1000km超、充填時間15分未満という、現在のディーゼルトラックと完全に肩を並べるパッケージングを実現。2026年末から約100台規模の小規模量産に入り、最初の50台はすでに物流大手ダクサーをはじめとする、実顧客オペレーションへの配備が決定しているそうだ。


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