もう1つ、使い方に注意したいのがウォシュレットなどの温水洗浄便座だ。
温水洗浄便座が痔に悪いということではない。痔で肛門に傷があったり、便をきれいに拭き取りにくかったりする人にとって、水で洗い流せることには一定のメリットはある。問題は、「洗いすぎ」とその後の「拭きすぎ」だ。
「強い水圧で長時間洗えば、デリケートな肛門周辺に刺激が加わります。皮膚が切れたり、ただれたりする原因になり、すでに傷がある場合には、治りを遅らせたり、症状を悪化させたりすることもあります。さらにトイレットペーパーで強くこすることで皮膚が傷つき、痔が悪化したり裂肛を招いたりします」(碓井さん)
温水洗浄便座を使用するなら、水圧は弱めにし、短時間で済ませ、洗ったあとはペーパーを軽く押しあてる「ポンポン拭き」でいい。
「便の硬さ」を整えることも重要
痔を悪化させないためには、便の硬さを整えることも重要になる。
硬い便は肛門を傷つけるが、下痢も肛門への刺激になる。食物繊維や水分を十分に摂るなどしても便の硬さに悩まされる場合は、便秘薬を使って「適度なやわらかさ」に調整する方法もある。
かつては便秘薬というと、腸を刺激して排便を促す「刺激性下剤」がよく使われていた。長期間使い続けると、腸の動きをつかさどる神経の働きに影響し、効きにくくなることもあった。
だが、昨今は便に水分を含ませてやわらかくするなど、穏やかに効くさまざまなタイプの便秘薬が出ている。「刺激性下剤を長く使ってきた人も急にやめずに、ほかの薬と組み合わせながら調整することも可能」だと碓井さん。
「これらの便秘薬はドラッグストアでも手に入るので、まずは薬剤師に相談を。それでも便秘が続くようなら、便秘薬の相談もできる肛門科を受診しましょう。便秘薬については消化器内科や一般内科などでも相談できます。人によって腸の動きや便の状態は違います。いろいろな薬を試しながら、最適な薬を医師に調整してもらえます」


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