そもそも、なぜ現代人は痔が起こりやすいのだろうか。
碓井さんがリスクとして挙げるのが、デスクワークやリモートワークなどによる長時間の座りっぱなしと運動不足、さらに「トイレでのスマートフォン使用」だ。
「便座は中央が空いているため、座っている間は肛門周囲が支えられません。その結果、重力などの影響でその部分の静脈に血液が溜まり、圧が上がります。つまり、いきんでいなくてもお尻に負担がかかり、痔が悪化しやすいのです」(碓井さん)
短時間の使用であれば問題ないが、スマホを見ていると、排便が終わっているのについ10分、15分と座り続けてしまう。それが大きな問題だという。
「トイレ時間がとくに長い50代くらいまでの患者さんにたずねると、かなり多くの方が『スマートフォンを持ち込んでいる』と答えますね」(碓井さん)
痔を防ぐ「トイレ5分」ルール
では、どのくらいでトイレから出ればいいのか。碓井さんが患者に繰り返し伝えているのが、「トイレは5分以内」という目安だ。
「これは“5分以内に便を出し切ってください”という意味ではありません。便が出ても出なくても、とりあえず5分で切り上げてトイレから出ましょう、ということです。また、『便が出そうもないのに出るまで頑張る』のをやめることも大事です」(碓井さん)
ちなみに、痔などで肛門周辺が腫れていると、その刺激を「便が残っている感覚」だと勘違いすることがあるという。いわば「ニセの残便感」だ。ニセの残便感から便座で粘っていると、さらに肛門周辺が腫れ、ますます残便感が強くなるという悪循環に陥る。
「この場合も、一度トイレから出ること。別のことをしていると便意を忘れます。それでも便意があれば、それは本物なので、もう一度トイレに行けばいいのです」(碓井さん)


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