傷害罪は親告罪ではないため、第三者の通報などでも事件化できますが、今回のケースは微妙。報道を見る限り、有効な証拠や証言を得られるかは未知数ですし、故意の立証も難しそう。双方へのヒアリングが不十分なこと、示談の有無がわからないことなども含め、少なくとも現段階では傷害罪の成立要件を満たしていないように見えます。
また、被害者とされる助監督A氏の意思もはっきりしていません。「立場上、声を上げられない」と思っている可能性もあれば、「作品、仲間、生活のことを考えると、声を上げたくない」と思っている可能性もありそうです。
この点では「TBSに利害関係のない弁護士などの第三者にあらためて意思をヒアリングしてもらったうえで公表する」ほうがいいのかもしれません。
TBSは「傷害事件を隠蔽」したのか
次に「TBSは隠蔽したのか」という2つ目の論点について。
報じられているように「役員会でのみ報告され、『一般社員に一切共有しないように』と指示があった」のなら隠蔽とみなされても仕方がないでしょう。ただ、これはまだ報じられただけであり疑惑の段階。私たち第三者が「隠蔽だ」と過剰に騒ぐのは時期尚早でしょう。
福澤監督は主演の堺雅人さん以上に『VIVANT』の象徴的な存在。「原作・演出・プロデュース」を手がける立場であり、「『VIVANT』は福澤監督がいなければ生まれなかった作品」でした。
視聴率も配信再生も独走状態であるほか、記事やコメントなどネット上の反響もズバ抜けていること。さらに11月8日の最終話に続く映画公開も業界内では確実視されているだけに、作品への影響が最も少ない対応が協議されているのではないでしょうか。


※ログイン後、コメント入力が可能です。