そして多くの記者は質問もせず、質問のやり取りをカタカタとパソコンで打ち込んでいるだけであり、それをデスクに届けるだけ。だったら雁首そろえて会見に出る必要はなく、最近なら録音から文字起こしをAIにやらせればいい。
衆議院議員の河野太郎氏が防衛相(19~20年)だったときは、会見後に囲み取材があった。記者クラブの記者はホームページにログが残る会見では当たり障りのない質問をし、オフレコの囲みで取材をする。この「囲み」はいわゆる国内の大手メディアのみで、筆者のような外国メディアに所属する記者は排除されていた。
ログが残る会見では、防衛省が困るような質問をせずに恩を売ることができる。記者クラブが率先して会見の形骸化を行ってきたのだ。そんな記者たちが、高市首相を批判できるはずもない。
そこで、「これは会見の形骸化ではないか」と筆者が質問したところ、その後囲み取材はなくなった。
オフレコの囲みも会員の大手メディアのみ
記者クラブは報道関係者の代表を自称する。会員は主に新聞やテレビ、通信社で、雑誌、専門紙、その他の媒体やフリーランスは基本的に会員になれない。
防衛省には「市ヶ谷クラブ」という専門媒体の記者クラブがあるが、これは一部を除き、会見や記者クラブ向けのレクチャーに参加できない。
では、こう聞いてみよう。はたして、記者クラブは会員以外を排除できるだけの、記者としての高い能力と見識を持つ記者の集まりであり、報道機関として高い倫理観を持っているのだろうか。
基本的に記者クラブはPTAや町内会と同じ、民間の任意団体にすぎない。彼らが取材機会を独占して、他者を排除する法的根拠はない。
だが彼らは当局と共謀して自分たちが報道の代表だと僭称し、会員以外の記者を排除している。だから、例えば東洋経済の専門記者が財務省や経産省の会見に参加することは通常のことではない。専門記者が各官庁の会見にすら参加できないのは、異常としか言いようがない。
自分たち以外の報道関係者を排除して、当局から記者室を与えられ、特別に優遇されている。それは、その分野の専門知識や取材経験が長いとか、一定の資格とそれにふさわしい経験があるためでもない。ましてや、組織として高い倫理観を持っているわけでもない。
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