この問題は岡崎社長にとっても頭痛の種だ。「入店したお客様に順番に『マルチですか?』と聞いていくわけにもいかないし、追い出すのもハードルが高い……。ほかのお客様からしたらちょっと怖いし、怪しいですよね。我々も来てほしくないとは思っているのですが……」(岡崎社長)。
店先に「マルチお断り」の看板を立てるなど細々と対策はしているものの、対応には依然苦慮しているようだ。
こうした漠然とした"印象"が企業に与える影響は計り知れない。そしてそうしたものこそ、無形かつ曖昧であるがゆえに企業側も対策が取りにくい。
「立ち退き料ビジネス」のうわさの真相
最後に、20年ごろからネット上でささやかれている「ルノアールはあえて古い雑居ビルを狙って出店し、ビルの建て替えや再開発のタイミングで多額の立ち退き料をもらうことで儲けている」といううわさについてもぶつけてみた。
――店舗が減るたびに、「立ち退き料」で儲けているって本当ですか?
実際、5000万円前後の受取補償金を計上している年もあるが……。
それに対して、岡崎社長は「そんなわけないですよ!(笑)」と一蹴。
「私もこの前調べ物をしていたときに、AIが『ルノアールは立ち退き料ビジネスで得た潤沢な資金を~』などと出してきたのでびっくりしました。社内だと笑い話です。ごくごくありふれた、老朽化に伴う退店ですよ」と、うわさを全面的に否定した。
大赤字の憂き目から復活を遂げた銀座ルノアール。同社はこれまでのファンを抱えながら、新たなファンを取り込み、V字回復のその先へと走り出そうとしている。


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