Nature Aging誌に今年発表された「Mapping structural aging across human tissues reveals tissue-specific trajectories and coordinated deterioration(ヒト組織の構造的な加齢マッピングによる組織特異的な加齢の軌跡と協調的な老化)」というちょっとややこしいタイトルの論文で、21歳から70歳の死後検体から40種類の組織を解析したという膨大な探索だ。
ごく普通に染色――H&E染色――された2万5306枚のプレパラートを20倍で観察した250マイクロメートル四方の画像、なんと3035万枚(!)をAIに放り込んで解析させたものである。
もちろんオートメーションであって、とても人間業ではない。それよりも驚くのは、AIに組織像の見方など、まったく教えていないところだ。
加齢に伴う組織の変化を1024次元で調べてくれる
大量の病理画像を自己学習したAIに画像を見せると、その一枚一枚を人間には意味のわからない(!)1024次元の空間に配置してくれる。そして、この空間の中で組織が加齢とともにどのように変化するかを調べることができる。
しかし、1024ってどんだけ複雑やねん。絶対、人間にはできへんわ。
年齢を推定できるわけではないのだが、ある組織がどのように年老いていくかの経時的変化を知ることができる。言い換えると、加齢変化、いや、老化度といったほうがいいだろう、をかなりきれいに描き出すことができるのだ。
1024次元の空間において、その組織がどこに位置するかがわかる。加齢に伴って少しずつ動いていくのだが、ある年齢になって急に大きく動けば、その組織構造の老化が大きく進んだと解釈することができる。
う~ん、1024次元はまったくイメージでけへんけど、わかってしまうのだから仕方がない。


※ログイン後、コメント入力が可能です。