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全社員に「ChatGPT」を配っても差がつかない…AIで稼げる会社が「汎用ツール」に頼らない決定的理由

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AIを使うビジネスマン
「AIを活用している」状態と「AIで事業成果を出している」状態の溝は、思いのほか深い(写真:MongtaStudio/PIXTA)
  • 椎橋 徹夫 Laboro.AI 代表取締役CEO
  • 田辺 遼 Laboro.AI ソリューションデザイン部部長

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生成AIを使う企業は珍しくなくなった。にもかかわらず、それが売り上げの話として語られることは少ない。導入したのに何かが起きない。この感覚の正体はどこにあるのか。AI開発企業Laboro.AIの椎橋徹夫氏と田辺遼氏による『日本企業はAIでどう稼ぐか』から、一部を抜粋・再構成してお届けする。なお本稿で紹介する事例は、内容を維持したうえで業種や商品を一部変更している。

AIを導入すべき領域はどこか

全社員にChatGPTのアカウントを配ったものの、使われ方は効率化のレベルにとどまっている。汎用的な議事録作成ツールを導入したが、肝心の意思決定プロセスは何も変わっていない。こうした話は珍しくありません。「AIを活用している」状態と「AIで事業成果を出している」状態の溝は、思いのほか深いようです。

『日本企業はAIでどう稼ぐか: 既存事業の売上を伸ばす事業深化』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)

ここで、企業の業務を「土台」と「味付け」に分けて考えてみたいと思います。

土台とは、どの企業にも共通する基本的な業務プロセスです。経理処理、人事管理、一般的な顧客対応、問い合わせへの回答など、企業活動のインフラにあたる部分で、業種や規模を問わず似たようなやり方で行われています。ここは汎用ツールの得意領域です。わざわざゼロから作る必要はありませんし、そのほうが導入コストも圧倒的に低くなります。

一方の味付けとは、その企業が独自に積み上げてきたノウハウであり、暗黙知に基づく判断のことです。経営学でいうコア・コンピタンスにあたります。なぜこの工程を、なぜこの順番で行うのか。なぜこの顧客にはこの提案をするのか。なぜこの材料をこの温度で処理するのか。こうした判断の背景には長年の試行錯誤の蓄積があるため、標準化できず、マニュアルに書き尽くすこともできません。

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