こうしたケースでは、先に「この実績は、実は私の後輩が1人で大型の顧客をつかんだからです」と開示します。すると、自ら質問しようとした流れをいったん止められるため、相手が受けるネガティブなイメージをかなり緩和することができます。
わざとツッコませるテクニックは応用範囲が広く、説明をわかりやすくしたり、場の雰囲気をあたため、盛り上げたり、なにか不測のミスがあった場合も挽回できる武器や、いざというときの「お守り」のような存在になります。さらに上級になってくると、わざと自分がミスをしたかのように見せるテクニックを使うこともできます。
重要なのは、事前に一定のシミュレーションをしておくこと。そして、自分がコントロールしているという意識を持つことです。それによって、説明の場に飲み込まれることなく、相手のペースによって乱されるリスクも最小化し、安定した説明が持続できるようになります。
常に安定した説明ができる人や会社は、相手からの信頼度が上がります。ビジネスにおいて説明が果たす役割は、それほどに大きいのです。
話の流れにわざと穴を開けておく
実際はミスをしていないのに、あたかもミスをしたかのように見せるテクニックとは、簡略化するとこんな流れです。説明する流れが「A→B→C→D→E」だったとしましょう。そこでたとえば、わざと、「A→B→C→E」にするのです。
AがBになってCにつながるなら、当然次はDの話になるだろう……そんな相手の予想を、軽やかに裏切って急にEの話に飛んだとしたら? 当然相手は、「Dの話はどうなっているの? その間に何かあるはずだけど……」と聞きたくなります。
あるいは、順調に右肩上がりになっている実績を説明するために、データをグラフ化して説明する際、途中のある特定の1年だけガクッとトレンドから外れ、まさに穴が開いたようにへこんでいるとします。しかし、説明上はそれをわざと無視し、どんどん先に進んでいきます。
すると、「ある1年だけグラフが大きく下がっているが、それについてはどうなのか?」と質問が飛んでくるはずです。ここで初めて、Dについて、グラフのへこみについて、詳細に話をする機会を相手から与えられたことになります。


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