なぜなら、ひとつ答えた説明者の背景に、10も20もバックグラウンドがあるかのように感じられるから。自分のリクエストに応えてくれるすごい人物であるかのように、相手が勝手に感じてくれるわけです。
そこで、ツッコミの内容が事前に予測できていれば? 何の質問を受け、どう答えるか、あらかじめ台本を書いておくかのようにできたら? より詳細に、より鮮やかに、相手の求めに応じる「演出」が可能になるというわけです。
就職や転職の面接で、書類に書く志望動機や自己PRの何倍ものバックストーリーを用意する理由も、実は同じです。文字数やスペースに制限のある書類審査では、必ずその背景を聞かれます。要するに、面接では提出した文書について必ず「ツッコミ」を受けることになるのです。
この状況で、面接官は「この学生には何を聞くか?」=「この学生の提出書類のどこをツッコむか?」を、自分で考え、自ら見つけ出していると思っています。そこで、釣り針を垂らします。
「リーダーになった結果、前年は予選敗退だった○○大会で優勝できました」と書かれていれば、「リーダーになってどんなやり方をしたんですか?」と聞くのが自然です。「新規顧客を10社開拓し売上を50%伸ばしました」と書かれていれば、「どういうセールストークをしたんですか? あなたなりに苦労した点はありますか?」などと聞きたくなります。
そのポイントこそ「釣り針」です。そして、食いつきに対する十分な答えを事前に用意しておくのです。
ツッコまれたら困る内容には先手を打っておく
反対に、意図せずに釣り針が垂らされている状況で質問に満足に答えられないと、受けるダメージはかえって大きくなってしまいます。実際、説明上ツッコまれたら困る内容も存在します。あるいは、自分にとって有利にならない内容、答えにくい内容、話しても大した背景がない場合などもあります。
その際の対処法は、ツッコまれる前に「自分で開示してしまう」ことです。
「部全体で売上が3割上がり、社内で賞を受けた」と書かれていれば、高い確率で「あなたはどんな役割をしましたか?」や、「どういう方法を使ったんですか?」などとツッコまれるでしょう。しかしその実態が、ある1人の後輩のまぐれ当たりだった場合は、聞かれてから「実はそれ……」と答えると、がっかりされかねません。


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