自分が欲しい情報を相手から奪い取ろうとする。相手のことをやり込めようとする。相手の気持ちを踏みにじる。これらはいずれも「聞く力」が高いとは言えません。
なぜ「聞く」と好意が返ってくるのか?
「しっかり聞く」という行為は、言葉にも勝るギフトです。なぜなら、その時間、聞き手は自分の「時間」と「意識」を相手に捧げ、心を寄せているからです。真剣に耳を傾けるという姿勢そのものが、強い好意の表明になります。
ここで働くのが、心理学で言う「好意の返報性」です。好意の返報性とは「誰かから親切にされたり、好意を向けられたりすると、自分もその人に返したくなる」という心理傾向のこと。親切にされたら親切で返したくなるし、褒められたら褒め返したくなる。この傾向は、会話においても例外ではありません。
あなたが相手の話に真摯に耳を傾ければ、相手は「受け止めてもらえた」と感じます。その感覚があることで、相手の中に「今度は自分が聞こう」という気持ちが生まれます。反対に、自分の話ばかりして相手に関心を向けなければ、返ってくるものも生まれません。与えていないものは、返ってこないのです。
具体的に考えてみましょう。あなたが悩んでいるとき、親身になって話を聞いてくれた人がいたとします。その人が困っていたら、今度は自分が力になりたいと思うはずです。「あのとき、ちゃんと聞いてくれた」という体験があるからです。逆に、つまらなそうに聞いていた人に対しては、同じ温度で向き合おうという気持ちは起きにくいでしょう。
繰り返しになりますが、「しっかり聞く」という行為は、価値あるギフトです。話す前に、まず聞く。この順番を守ることは、あなたの話に真摯に耳を傾けてくれる人を増やす戦略でもあるのです。



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