一方、プロフェッショナルな働き方は、組織の庇護を受けず、職業人生を自分で切り開いていく。つまり、人材市場から評価されるように生きていくことができる。
その代表的な職場がコンサルだ。コンサルはどこにでも転職できる。
論点設計、構造化、仮説思考、定量分析、資料作成、プロジェクトマネジメント。汎用性が極めて高い。だから、様々な職場に行ける。外資系企業の経営企画、スタートアップの経営幹部、PEファンドなど、ポストコンサルの選択肢は幅広い。
だが、これらの転職先の多くは結局、転職前提の職場である。またいつか転職しなければならない。だから、転職は解決ではない。どこで転職を終えるかを決めない限り、延々に転職を繰り返さないといけない。
コンサルスキルに代表される汎用スキルはビジネスにおける英語に似ている。英語が話せればどの国にも行けるが、英語が話せるだけではどの国の市民にもなれない。「どこでも行ける」は、しばしば「どこにも根を張れない」になる。便利なパスポートではあるが、住民票にはならない。
では、どうすればこのループを終えられるのか。鍵になるのは、「どこへ行くか」ではなく「どこに腰を据えるか」を決めることだ。
コンサル業界人にありがちな“ステップアップ疲れ”
過去に在籍したコンサルの仲間たちと酒を飲む機会に感じることだ。
彼らはみな、コンサル時代の経験を生かして転職している。多くはポジションも上がり、高い給料をもらっている。着実にステップアップして輝いている。
たとえば、コンサルから別なコンサルに転職していたり、コンサルからベンチャーを経て、外資系企業にいたり。しかし、何となくそわそわした空気感をまとっている。そして、これはJTCの人たちと飲むときにはあまり感じない。
なぜか?コンサルたちは、転職のたびに市場の目に晒され品定めされる。だから、自分の商品価値を常に高め続けなければならない。
今の職場は転職と転職の狭間の仮住まいという感覚になり、「一体いつまでこんな営みが続くのか」「いつまで走り続けないといけないのか」と悩む。これを「ステップアップ疲れ」とでも呼ぼうか。


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