駐車場にはそこそこ車も停まっており、吊り橋に向かう山道に人の姿も見えました。整備された木道で歩きやすいです。しばらく進むと、木道脇の茂みに大きくて真っ赤なキノコが生えているのを見つけました。
「毒々しい色だな。きっと毒キノコだろう」と思ったら、後ろを歩いている男性が「あれはタマゴタケだよ、食べられるし、おいしいんだ」と、連れの人に話すのが聞こえました。へえー、と感心しましたが、もちろん、採って食べてみようとはなりません。でも、もし道の駅などで見つけたら、買ってみたいと思いました。
吊り橋の真ん中まで来ると…
ほどなく吊り橋が見えてきました。深い渓谷にかかっていて、眼下には木のてっぺんが見えます。
「なんだ、大きいし頑丈そうだな」と拍子抜けした気分で渡り始めました。細くて綱でできた吊り橋なら少し怖いかもと心配でしたが、これなら普通の橋とあまり変わらないなと半分がっかり、半分安堵していました。最初のほうは――。
吊り橋は、中心に行くほど揺れるし、不安定になります。「あ、揺れてるな」と感じてから、「え、何これ怖い」になるまで時間はかかりませんでした。
「ちょっと、私、怖いんだけど……」
横を歩く妹に言いました。
「え?」
「自分でもびっくりしてる。手すり持たないと歩けない……」


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