「『学校に来られない子』ではなく、『この場所なら来られる子』なんだと、わかってきたんです」
校内教育支援センターでは、こうした子どもたちの学びにも対応するため、教員免許を持つOBや有資格者を配置。さらに町費で日常的なサポートを行う支援員も配置した。
「居場所をつくるだけではなく、そこで学びたい子には学びも保障する。そういう場にしていくことが大事なんです」
フリースクールも「学校の外」ではなく、学びの場の1つ
葉山町がつながりを重視するのは、学校の中だけではない。フリースクールやオルタナティブスクールとも教育委員会が積極的に連携し、年1回以上の会議で情報を共有。教科書の提供や、GIGAスクール端末をオルタナティブスクールで使えるよう調整している。
「連携するのに苦労はありませんでした。私が声をかけるかかけないかだけの話で、相手方も声をかけてほしかったようです」
これまで、学校とフリースクールなどの関係は、学校から子どもを送り出すだけの一方通行になりがちだったという。
「でも、それではダメなんです。お互いに情報交換し、子どもがどういう状況なのかを共有する。フリースクールに行っている子が学校の端末を使ってもいいし、そこで担任とオンラインでつながってもいい。それぞれの場で子どもを支えながら、普通に連携すればいい」
26年4月からは、フリースクールなどの利用者への月額上限1万5000円の利用補助も開始。30人以上が申請しているという。一方で、葉山町では「学びの多様化学校」は設置しておらず、今後も設置予定はない。
「学びの多様化学校は定員がありますよね。そうすると、どうしても誰かを落とさなければいけない。でも葉山町には、町内全校の校内教育支援センターに加え、適応指導教室『ヤシの実』もあり、フリースクールなどとも連携している。その子がいる場所で支援ができる。小さい町だからこそ、これでいいのではないかと思います」
葉山町が重視するのは、特定の「場」を新たにつくることではなく、学校、校内教育支援センター、フリースクールなどが、町内に限らず近隣の自治体ともゆるやかにつながり、子どもがその時々に合った場所で学べる環境をつくることだ。1つの「場」に子どもを合わせるのではなく、子どもに合わせて「場」をつないでいく。そこに、葉山町の考える「学びの多様化」がある。


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