「『不登校の人数を減らそう』と考えれば、学校に戻った子どもが増えれば『成果』となります。しかしそれだけでは、子どもが安心して学べているのか、人とのつながりを持てているのかまでは見えてこない。だからこそ葉山町は、『学校に来ているか』だけではなく、『その子にとって必要な学びやつながりが保障されているか』を見ることにしました」
欠席日数を減らすことを「成果」とするのではなく、子どもが学びや人とのつながりを持てているかを見ていく。そこには、「学校に戻す」ことをゴールにしない、葉山町独自の考え方がある。
「不登校」110人のうち「実質的な孤立」は2人
葉山町には小学校4校、中学校2校の計6校がある。この中で「年間30日以上欠席している」児童生徒は110人。教育委員会では、その一人ひとりについて、学校やフリースクール、オルタナティブスクール、校内教育支援センターなど、どこかの学びの場につながっているかを確認してきた。
25年度末時点で、どこにもつながっていない子どもは2人。この2人についても、完全に関係が途切れているわけではない。
「担任や教育相談コーディネーターとは話ができるようになってきています。これまで何もなかったところに『線』ができたということです。この線があれば、何か困ったときに、そこを手繰って相談することができます。とにかく諦めない。ありとあらゆる手を使って、こちらからつながりをつくっていく。どこにもつながっていない子どもをつながりのある状態にしていく。それが教育委員会の役割だと思っています」
どこにもつながっていない子どもが2人にまで減った背景には、町内の6校すべてに校内教育支援センターを設置したことがある。
それまでは、教室に入れない子どもが過ごす場所がなかった。保健室で過ごすケースもあるが、養護教諭が本来の業務を担う中で、子どもが継続的に過ごす場になるのは難しい。
「各校の空き教室を利用して校内教育支援センターをつくると、教室には入れなくても、落ち着いた別室なら通える子どもが一定数いたのです。『今日は行きます』『給食を食べます』『試験は支援センターで受けます』など、保護者からの連絡も専用のシステムで共有しています」
部活動だけ参加する生徒もいれば、特定の時間だけ学校に来る子もいる。そうした姿を見ることで、現場の教員の見方も変わっていった。


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