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「この原稿はテキサスに向かう『JAL0012便』の中で書いている」という書き出しで始めるはずだったのだ、本当は。久々のアメリカ出張だから、まずはテキサス州ダラスに行ってみよう。中間選挙(今回は11月3日)前としては初めての共和党大会が行われている会場の近くに宿を取れば、街の雰囲気もわかるし、ネタには困らないのではないか……てなことを考えていたのである。
ところが直前になって、父・吉崎四郎が97歳の大往生を遂げてしまった。葬儀の喪主を務めなければならず、筆者の出張計画は吹っ飛んでしまった。もちろん父との別れは寂しいのだけれども、なにしろ年齢に不足はないので、ホッとするところもある。そんなわけで本稿は、郷里の富山市に向かう北陸新幹線の中で書いている。いや、市役所やら年金事務所やら法務局やら、いろいろ手続きがあって、何度も行き来しなければならないのだよ。
当欄の読者には、遺産相続やら空き家の処理など、これはこれで関心が高そうなテーマに思えるのだが、それらはいずれ取り上げる機会があるかもしれない。ここでは「行ったつもり」になって、アメリカの中間選挙について語ってみることにしよう。
「トランプ党」の共和党大会で欠席者が相次ぐワケ
9月7日のレイバーデイを超えれば、中間選挙は競馬で言えば第4コーナーを回って最後の直線コースとなる。ここから先は、各馬がどれだけ体力を残しているか、騎手はどこで鞭を入れるか、コース取りはどうか、などの微妙な要素が明暗を分ける。スタンドの歓声、すなわちメディアやSNS空間の反応もまた、勝敗を左右する重要な要素となる。
そこで問題は、共和党大会(9月9日から10日にかけて開催)である。そもそも中間選挙は議員たちの戦いであるから、昔の大統領は「われ関せず」であった。2002年にG・W・ブッシュ大統領(当時、息子ブッシュ)が全国遊説して共和党議員を応援し、中間選挙にしてはめずらしく与党が議席を増やしたことがあった。今から思えば、アメリカ政治の「分極化」が深まったのは、あの頃からだったのではなかったか。
そして今回、ドナルド・トランプ大統領は自らとファミリーが中心となって党大会を開催する。何しろ今の共和党は限りなく「トランプ党」となっているので、表立って逆らう人はほとんどいない。それでも自分の選挙が僅差と見込んだ議員などは、トランプ大統領に近いことを示せばかえって不利になる、とばかりに大会を欠席する向きが相次いでいる。


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