有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス

「メモ禁止」目で技を盗んだ2カ月…廃業する「街のパン屋」の蒸しパンを、大手マックスバリュが"パートさんごと"継いだワケ

8分で読める
平日700〜800個、休日は1200個売れるという「熱海ほていやの蒸しパン」
平日700〜800個、休日は1200個売れるという「熱海ほていやの蒸しパン」。廃業する「街のパン屋」の蒸しパンを、なぜ大手スーパーが継いだのだろう(写真:筆者撮影)
  • 谷口 素子 取材ライター・コラムニスト
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES
木の蓋がないと、ほていやの蒸しパンの味にならなかった(写真:筆者撮影)

2012年、「熱海ほていや」が誕生

今マックスバリュ熱海の一角のコーナーには、「熱海ほていや」の看板が掲げられ、蒸しパンが陳列されている。「事業を譲渡した後に『ほていや』で商標登録しようとしたのですが、すでに山形で登録がされていました」と、当時マックスバリュ東海総務部だった 根上常夫さんは説明する。

そこで根上さんは考えた。熱海を代表する店なのだから、『熱海ほていや』でいいのではないかと。そして2012年に無事、『熱海ほていや』で商標登録がなされた。スーパーが扱う商品としては異例のことだが、根上さんは、「熱海の文化的価値を牽引するブランドとして、やはり商標登録が必要だと思いました」と話す。

街のパン屋から大手スーパーへ。蒸しパンはこうして息を吹き返し、今ではマックスバリュ東海 熱海店の総売り上げの約1%を叩き出す。平日700〜800個、休日は1200個。1個160円。ほていや時代の規模とほぼ同じだ。

冷凍もできるのでまとめ買いする人が多い(写真:筆者撮影)

だが不思議なことがある。これほど売れていながら、ほていやの蒸しパンが買えるのは、今も熱海周辺のわずか5カ所だけなのだ。「職人が辞めたら、もう作れない」とまで言われた商品を再現できたはずなのに、なぜ広げないのか。後編では、そこに注目してみたい。

《続きを読む→→》後編:「職人のパン」を数値化し「誰が作っても同じ味」を実現…それでも大手スーパーが拡大路線をやめ《熱海周辺5軒》に絞った理由

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数