2012年、「熱海ほていや」が誕生
今マックスバリュ熱海の一角のコーナーには、「熱海ほていや」の看板が掲げられ、蒸しパンが陳列されている。「事業を譲渡した後に『ほていや』で商標登録しようとしたのですが、すでに山形で登録がされていました」と、当時マックスバリュ東海総務部だった 根上常夫さんは説明する。
そこで根上さんは考えた。熱海を代表する店なのだから、『熱海ほていや』でいいのではないかと。そして2012年に無事、『熱海ほていや』で商標登録がなされた。スーパーが扱う商品としては異例のことだが、根上さんは、「熱海の文化的価値を牽引するブランドとして、やはり商標登録が必要だと思いました」と話す。
街のパン屋から大手スーパーへ。蒸しパンはこうして息を吹き返し、今ではマックスバリュ東海 熱海店の総売り上げの約1%を叩き出す。平日700〜800個、休日は1200個。1個160円。ほていや時代の規模とほぼ同じだ。
だが不思議なことがある。これほど売れていながら、ほていやの蒸しパンが買えるのは、今も熱海周辺のわずか5カ所だけなのだ。「職人が辞めたら、もう作れない」とまで言われた商品を再現できたはずなのに、なぜ広げないのか。後編では、そこに注目してみたい。


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