マッチングアプリで出会ったアメリカ人男性と結婚し、渡米。だが結婚生活で待っていたのは、モラルハラスメントとDVだった。2021年11月、ダニエルズまゆこさん(41歳)は、2人の幼い息子を連れて、夫のもとを離れた。
「私にとって、2つ目の誕生日なんです」
まゆこさんは、家を出たこの日をそう呼ぶ。あれから約5年。今は保育士として働きながら、2人の息子と3人で暮らしている。だが、そこにたどり着くまでの道のりは、決して平坦ではなかった。
(前編の続きです)
家を出た夜
家を出た夜、支援団体が用意してくれたのは、名ばかりの「ホテル」だった。
「蓋を開けてみたら、『ホテル』はホームレスや薬物中毒者を保護するモーテルでした。部屋中がたばこの匂いで、ベッドメイキングもされていない廃墟のような場所。普段おとなしい次男も、何をしても泣き止まなくて……」
その状況を見かねた友人が「うちにおいで」と自宅に招き入れてくれた。その日は、ようやく落ち着いて休むことができた。
この日にたどり着くまでには、いくつもの出来事があった。
たとえば、長男出産後の6日目のこと。搾乳がうまくできず、睡眠もろくに取れていなかったまゆこさんは、夫に手伝いを頼んだ。無視をされても、何度か頼んだ。不意に、搾乳機が夫の肩に当たった。
その瞬間、夫はコーヒーテーブルを持ち上げ、40インチのテレビに向かって投げた。スクリーンは割れ、テレビは壊れた。


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