「庭付きで、地下室もあって、自分たちだけで使える洗濯機もある。ほんで、学校まで1分、仕事場まで7分。下の子が小学校に上がるタイミングやったからもう、奇跡としか思われへんくて」
それまでの淡々とした語りとは違い、まゆこさんの声には、はっきりと安堵の色があった。
離婚の成立、永住権への切り替え、そして今の住まい。ひとつひとつは別々の出来事だったが、まゆこさんの中では、ようやく生活が「自分のもの」になる実感が湧いた。
保育士として、ゼロからのキャリア再建
保育士として働き始めて、今ではもう4年半になる。現在の月収はおよそ2700ドル(約42万円)。
「給料は月2回払いで、そのうち1回分は家賃に飛んでいきます」
アメリカでの家賃や学童保育費を差し引くと、決して余裕のある暮らしではない。それでも勤務先の福利厚生で学童保育料が大幅に割引されるなど、助かっている部分も多い。
生活の基盤が整う一方で、心のケアも大切にしている。
「今も月に一度カウンセリングに通っています。家を出るタイミングで、あらゆる支援団体に電話をかけまくったんです。今のカウンセラーさんに出会って5年目。最初の頃はPTSDの症状がよく出て、息の仕方を忘れることもあって……。やっとこさ、谷間は脱出できた段階ではあります」


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