薬代は体を売って稼ぐこともあった。X(旧Twitter)で相手を募り、1回当たり1万5千~3万円を受け取った。
最近ODの回数は月に1、2回まで減った。薬代を稼ぐために体を売ることはなくなったが、ODはやめられない。今は、死なないため、生き延びるためにODをするという。
「ODしなかったら、本当に死を選んでしまうかもしれないと思います」(みおさん)
高校生の70人に1人 現場が見る「今年増えた」実感
若者のODに歯止めがかからない。
国立精神・神経医療研究センターが2024年度に全国の高校生約5万人を対象に行った調査では全体の1.4%、約70人に1人が、「過去1年間に市販薬の乱用経験がある」と回答した。男女別では、男子の0.9%に対し女子は1.7%と、女子は男子の約1.8倍となった。
東京・歌舞伎町で若者らを支援する公益社団法人「日本駆け込み寺」職員の清水葵さん(27)は、「今年に入って、ODをする若者が増えたと感じる」と話す。
「SNSを通じ、若い子にも広く知れ渡っていったからではないでしょうか。傾向としては女の子の方が多い印象はあります。男の子は面と向かって喧嘩をするなど感情表現が豊かですが、女の子は感情を溜め込みやすく、薬に逃げてしまいがちです」
同法人が一昨年、市販薬の乱用者に行ったインタビューでは、ODをしたくなるのは「バッドに入った時」「気分が落ち込んだ時」「気分を変えたい時」「寂しい時」などの回答があった。
清水さんが把握している中で、ODをしていた最年少は14歳の女の子。歌舞伎町に来て、その場のノリや気分で薬に手を出し、酒と一緒に飲んで救急車で病院に搬送されたこともあった。一度に100錠を服用する子もいた。薬代のために、パパ活や売春をする子も少なくないという。
なぜ、若者たちは大量の薬が手に入れられるのか。一体、どこで入手しているのか。
冒頭のみおさんの場合、市販薬はドラッグストアで買う。医療機関で処方してもらうとき、多めに欲しいときは「全然効かない」と増量を求めることもある。精神科に通院しているので、睡眠薬は、そこで処方してもらう。

