実際、牛は英語が生まれたヨーロッパでは、すごくポピュラーな家畜です。あるデータでは、アメリカではなんと1億頭近くが飼育されていて、世界3位。イギリスも約1000万頭で、世界36位です。それに対して日本は、約300万頭で世界61位。
つまり英語圏の人々は、僕たちとは比べものにならないくらい、ずっと牛と一緒に暮らしてきた人たちなのです。毎日の食事にも、労働にも、風景にも、牛がいた。だからこそ、牛の言い方は細かく分かれ、空に浮かぶあの白い帯も「川」ではなく「牛乳の道」に見えた。言葉の中に、その人たちの暮らしが、そのまま残っているわけです。
逆に言えば、こういう見方もできます。「言い方が多い言葉」を探すと、その国の人々が何を大事にしてきたかが見えてくるのです。
「マナー」に関する言葉も多い
たとえば、イギリスと聞いて「紳士が多くて、マナーや形式を守るイメージ」を持つ人は多いと思います。
実は英語には、ルールやマナー、形式を表す言葉がたくさんあるのです。
Principle……原理・主義
Regulation……規則・規制
Manner……マナー・作法
Formula……定式・標準的な型
Pattern……パターン
そもそも「ルール」「マナー」という言葉自体、日本語にはなかったからこそのカタカナ語ですよね。
もちろん、これは英語だけの話ではありません。日本語にも「規則」「規律」「礼儀」「作法」「形式」……と、似た意味の言葉がたくさんあります。
つまり日本も日本で、規律を重んじる価値観を持ってきたということです。
面白いのはここです。言葉を勉強するということは、その言葉を使っている人たちの価値観を知ることでもある。英語を学べば英語圏の人々の考え方が見えるし、日本語を改めて見直せば、自分たちの価値観まで見えてくるのです。


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