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経営危機の老舗モーター企業を救った東大発AIユニコーン「燈」、出資の裏にあるフィジカルAI・完全子会社化のロードマップ

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企業評価額は1051億円に到達した(写真:記者撮影)

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設立5年のスタートアップが老舗モーターメーカーに出資――。

9月1日、東京大学発AIスタートアップ・燈(あかり)は、秋田県横手市に本社を置く製造業のアスターと資本業務提携を結んだと発表した。本提携に基づき、燈はアスターが実施する第三者割当増資を引き受ける。資金提供にとどまらず、アスターが手がける次世代モーターや各種パワーユニットの開発・量産技術と、自社が強みとするAI技術を融合させていくという。

出資額は明らかになっていないが、数十億円規模とされる。出資比率は過半数を上回らないマイノリティー出資となる。

AI実装力強みに創業以来「黒字経営」

燈は東京大学松尾研究室発のスタートアップとして2021年2月に設立され、すでに社員数が500人近くまで拡大している。DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションとAI SaaSの2事業を手がけており、建設業や製造業など、日本の基幹産業に深く入り込む「業界特化型AI(バーティカルAI)」の実装力を強みとする。

祖業のDXソリューションでは、大成建設向けに設計図書の構造化・ダッシュボード化を行い図面データの有効活用を支援したり、三菱電機向けに自律走行搬送ロボットの稼働率を大幅に向上させるシステムを構築したりしている。DXソリューションとして個別の顧客向けに開発していたサービスをパッケージ化し、AI SaaSとしてプロダクト展開するという流れを生んでおり、 創業来一貫して「黒字経営」であることが売りだ。

26年1月には顧客である三菱電機から50億円の資金調達を行った。企業評価額は1051億円に到達しユニコーンとなり、本調達を機に三菱電機の有する製造現場のデータと機器制御の知見を取り入れ、工場そのもののAI化支援に踏み出した。今回のアスターへの出資は、燈が製造設備そのものを手に入れるという意味でその戦略の延長線上にある。

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