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ライフ #還暦バックパッカー教授の世界見聞録

自分の目で見て初めて気づく「ああ、こうなっているのか」…情報があふれる今こそ「現地・現場・現物」で世界を見る

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カンボジアの首都プノンペンのイオンモール。日本のイオンと見まがうような光景だ(写真:筆者撮影)
  • 河瀬 誠 立命館大学ビジネススクール教授、MK&Associates代表
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さらに YouTube になると質の高いチャンネル以外は、二次情報・三次情報が大半だと言えるし、ときには事実と全く異なる思い込みの情報が入ることも多い。実際の世界と全然違う、心地よい「常識」を拡大する動画のほうが人気になる、ということもよくある。

このように実際を知らない国については間違った情報が流れやすく、また情報を受け取った側も信じ込みやすい。

「百聞」も大事だが「一見」で確認しよう

人間には、自分の考えに合う情報を集め、反対する情報を無意識に遠ざけてしまう傾向がある。心理学でいう「確証バイアス」だ。

この確証バイアスを和らげ、世界をできるだけ正確に知るには、客観的な情報や「一次情報」に触れる必要がある。

まずは統計資料に当たってみよう。各国の経済や社会に関するデータは、さまざまな国際機関が公表している。JETRO(日本貿易振興機構)も、各国の経済や産業について多くのレポートを出している。

インターネット検索やAIによって、必要な資料を探しやすくなった。しかし統計データだけでは現地の実像はつかめない。

旅をしていると、「あれ、本当はどうなっているのだろう」と疑問を持つことがある。

たとえば「カンボジアは貧しい国」だと思う人がいれば、それは先入観かもしれない。

世界銀行によると、2025年のカンボジアの1人当たりGDPは2872ドル。日本の3万5951ドルに対して約8%だ。国内メディアもカンボジアでのボランティア活動を美談としてよく報道している。このような点だけを見れば、「カンボジアには、お腹を空かせた貧しい子どもたちが街にあふれているに違いない」と思う人もいるだろう。

しかし、実際にカンボジアを旅すると、首都プノンペンでは各地で高層ビルの建設が進んでいる。プノンペンとその近郊にある3つのイオンモールは家族連れでにぎわい、店頭価格も日本とあまり変わらない商品も多い。

もちろん、モールのにぎわいだけでカンボジア全体を語ることはできない。それでも、1人当たりGDPの数字だけでは見えない暮らしがあることには気づかされる。

カンボジア・プノンペンの高層ビル(写真:アジアゲートウェイ・木村友則氏提供)
プノンペンのイオンモール(写真:筆者撮影)
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