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30代女性を追いつめた「母親からのもらいうつ」とは…うつ病で休職した彼女の復職診断書を産業医が取り下げたワケ

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落ち込む女性
うつ病で休職していた彼女のケースは、母親由来の「もらいうつ」でした(写真:freeangle/PIXTA)
  • 髙橋 一志 東京女子医科大学准教授、医学博士
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それで、人事担当者はほとほと困ってしまったというわけです。

私は、復職を希望している本人から、さらに詳しく事情を聞いてみる必要があると思ったので、人事担当者に彼女を呼んでもらうことにしました。

母親由来の「もらいうつ」で休職

彼女の話を聞いてみると、いろいろなことがわかりました。

彼女は学生時代に接客のアルバイトをしたことがあり、喜んでくれるお客様の笑顔が忘れられずに、将来は接客の仕事に就きたいと思っていた。接客業としての専門的な知識を独学で身につけて就職し、希望通りの業務に就けた。夢がかなった彼女は、元気に働いていました。

ところが、入社から2年ほどたったとき、うつ病になってしまった。一時は出勤もできない状態だったそうです。

私は、なぜ彼女がうつ病になってしまったのか、その原因を知りたかったので、次に「プライベートなことか、あるいは職場のことで、何かしんどいことがあったのですか?」と聞いてみました。

彼女は3人家族。母親と妹は九州で暮らしており、自分だけが上京し就職したのですが、妹と一緒に実家で暮らしている母親が、4カ月前にうつ病になってしまったというのです。

彼女の話を聞く限りでは、母親のうつ病は深刻で「もう死にたい」と言い出したり、行く先も告げずにふらふらと家から出ていってしまったり、そんなことを繰り返していたのだそうです。

妹からの電話でそのことを知ると、もともと母親思いの彼女は、いてもたってもいられなくなり、休日ごとに九州の実家に帰り、母親の精神科受診に付き添ったそうです。

母親の主治医に入院の相談をすると、「入院先は家族で探してほしい」と突き放すようにいわれてしまい、妹と2人であちこち受け入れてくれそうな病院に電話をかけまくったといいます。

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